ステージ別のESCC管理

ステージ0(高度異形成)は、異常細胞が、がん細胞のように見えるものの、
食道の内面を覆う最内層の細胞(上皮)にとどまっているという、一種の前がん病変です。

治療
   手術
   内視鏡的切除

ステージI
ステージ1ではがんが(上皮細胞層を超えて)食道壁の深部に広がりますが、
リンパ節や他臓器には達していません。
がんの広がりの範囲に応じて、さらにステージIAとステージIBに分類されます。

治療
   化学放射線療法後に手術
   手術のみ

ステージII
ステージIIでは、がんが食道の中心にある筋肉の層や食道外側の結合組織まで広がっている状態です。
また、周辺の1~2個のリンパ節に広がっているがんの一部もステージIIに含まれます。
ステージIIはさらにIIAとIIBに分類されます。

治療
   化学放射線療法後に手術
   手術のみ
   化学療法後に手術
   化学放射線療法のみ

ステージIII
ステージIIIは、食道壁を超えて外層に広がっているがんの一部と、隣接する臓器や組織まで広がっているその他のがんです。
また、周辺のリンパ節まで広がっているほとんどのがんもステージIIIに含まれます。ステージIIIはさらにIIIAとIIIBに分類されます。

治療
   化学放射線療法後にの手術
   化学療法後にの手術
   化学放射線療法のみ

ステージIV
ステージIVの食道がんは遠隔リンパ節や遠隔臓器まで広がっています。ステージIVはさらにIVAとIVBに分類されます。

治療
   化学放射線療法後に手術
   化学療法
   免疫チェックポイント阻害薬(ニボルマブ)をアジュバント療法とする免疫療法
   免疫チェックポイント阻害薬(ニボルマブおよびイピリムマブ)による免疫療法
   免疫チェックポイント阻害薬(ニボルマブ)による免疫療法および化学療法
   対症療法としてのレーザー手術または電気凝固による症状軽減およびQOL向上
   対症療法としての食道ステントによる症状軽減およびQOL向上
   対症療法としての外部放射線療法または内部放射線療法による症状軽減およびQOL向上
   新規化学療法薬を使用する臨床試験
   標的療法と化学療法を併用する臨床試験

食道扁平上皮癌の最後は「標的療法/免疫療法」について