標的療法/免疫療法

受診の時点で進行ESCCであった患者の場合、従来の治療法は転移に対する化学療法に限定されます。

食道がんの全ゲノム解析により、免疫系の制御および生存期間延長が期待できるという理由から、
標的療法薬、特に免疫療法薬に対する関心が集まっています。

ラムシルマブ、トラスツズマブ、ペムブロリズマブなどの薬剤が各種進行がんの治療薬としてすでに使用されています。

ペムブロリズマブ(ヒト化IgG4モノクローナル抗体)は1年以上前から、プラチナ製剤およびフルオロピリミジン製剤を主体とする化学療法との併用で、
外科的切除または根治的化学射線療法の対象とならない転移性または局所進行性の食道がん、あるいは胃食道接合部がんの患者への使用が承認されています。

さらに、進行性または転移性ESCC患者の治療法として、
ニボルマブ(完全ヒト型IgG4モノクローナル抗体)とフルオロピリミジン製剤および
プラチナ製剤主体の化学療法との併用、またはニボルマブとイピリムマブ(完全ヒト型IgG1κモノクローナル抗体)との
併用が最近承認されています。

弊社のサービス

メドプロ クリニカル・リサーチのMedical Writingチームは大手製薬会社と提携し、
進行食道扁平上皮癌に対する標的治療の大規模臨床試験のサブグループ解析の公表に向けた
文書作成、編集、事実確認、公表をサポートするサービスを提供しています。

ESCCはヒトに発生する最も重度の悪性腫瘍の1つで、後期診断、転移、治療抵抗性、再発の多さが特徴です。
そのため、免疫療法による治療方法の拡大が期待されます。

ESCCは臨床管理が難しく、現在のところ効果の著しい標的療法薬は承認されていませんが、ESCC症例の患者転帰改善に向けた今後の進展を大いに期待させる新しいデータが最近の臨床試験で得られています。

医療の現状や、医学に関するさまざまなテーマについても掲載してまいりますので、次回もどうぞご期待ください。