前回は宇宙空間における人体への影響をお話ししましたが、
今回は伝染病などの原因となる微生物とそれに対抗する免疫の研究についてお話しします。

宇宙での免疫の研究


ISSは地上約400 kmの軌道上を周回しており、およそ6ヵ月に1回実施されるカーゴ交換および新たなクルーの派遣を除き、生物生態系から完全に隔離されています。

密閉された閉鎖環境である宇宙ステーションに微生物が侵入する経路の一つとして、
クルー経由が想定されます。

ISS環境のマイクロバイオームは、人間の健康に大きな影響を与えるため、研究者たちにとっての関心事となっています。

管理下にあるISS環境にはさまざまな生物が存在しており、その相互作用を解明することは、過酷な環境においてマイクロバイオームが形成される要因への理解を深めるうえで重要です。

これは、長期の宇宙旅行のために適切な安全対策を考案するうえで助けとなります。

宇宙飛行中にクルーの免疫に変化が生じる可能性がありますが、
一方で地上の医療施設へのアクセスが制限されることが
想定されます。

したがって、宇宙ステーションに存在する微生物の研究は、
短期および長期の宇宙旅行が宇宙飛行士の健康に与える影響を
理解するうえで重要であり、
宇宙旅行での将来的な臨床適用を見据えた有力な候補も
こうした研究から生み出されるのです。

最後に・・・

宇宙事業が進むにつれ、火星以遠を目指した長期宇宙旅行なども将来的には計画されつつありまます。
それを成功させるためには、前述の問題に対する解決策を宇宙飛行士たちが見つけ出す必要があります。

また、これらの課題を克服する方法を探し出すことを目指す科学者たちの中には、地球上で認められた類似する病態に対して解決策が見つかることを期待して、得られた知見を地球上の医療に応用しようとしている人々もいます。

研究者たちはより安全な宇宙旅行を実現するために、一般人に対して宇宙旅行の門戸を開くだけではなく、
様々な尽力を続けています。

宇宙ステーションで宇宙飛行士が従事する作業は、事前に数ヵ月間にわたり訓練を受けたものです。
したがって、莫大な労力、資金および時間が宇宙ミッションに費やされており、体調不良などの理由で宇宙飛行士を地上に帰還させたり、ミッションを中断したりする余裕はありません。

そのため、宇宙空間に遠隔操作で最高水準の医療を提供するには、宇宙医学、宇宙栄養学、宇宙薬学、宇宙看護学および医用生体工学などの専門知識と情熱を持った献身的なチームが必須です。

弊社では、大きなプラットフォームを使用し、
宇宙医学の研究成果を発表するためにお役に立てる
専門チームを擁しています。


今後こちらのブログでは、
宇宙環境が宇宙旅行者の健康に与える影響を測定するための最新技術についてご紹介する予定です。
ご興味がある方は、当ホームページを改めてご覧ください。